【Rally Mongolia 2014】マラソンステージ(ETAP-5~ETAP-6)

今回のラリーの目玉の一つめは、ETAP-5、ETAP-6を連続した1つのステージとみなし、ETAP-5のゴール=パルクフェルメでバイクの整備は一切できず、ビバークにはメカニックも来ないという、マラソンステージでした。いかにマシンにダメージを残さずに走り切るか!?というのが大きなポイントです。

マラソンステージ1日目のETAP-5の朝。
【Rally Mongolia 2014】マラソンステージ(ETAP-5~ETAP-6)_f0041031_22403859.jpg
今日も午前5時過ぎには目が覚めました。昨夜はX-1トラックの到着が遅かったので、バイクの整備が始まったのは深夜からで、寝不足のライダーも多いはず、、、私はメカニックにお願いして早々に寝ることができました。本当にありがたい事です。
整備エリアに行ってみると、ミサイルさん、いまっぽ、あひとくんの3名のメカニックはまだ作業をしていました。ルート上で暗くなってからのパンク修理で、リアホイールのカラーを紛失して走ってきてしまったライダーがいたようで、ブレーキディスクも削れていて、一時はもう走るのは諦めてもらおうかと思ったらしいのですが、他の車種のスペアホイールから流用・改造してなんとか走れる状態に仕上げたとの事でした。
どんなに壊しても翌朝には必ず走れるようにしておいてくれる・・・なんていうのは、それこそ勝利が至上命令のワークスチームだけの話で、本来は、本人がやるべき整備作業を代わって担当してくれるのがメカニックの役割ですが、多分最初は(私もそうでしたが)それが解かりません。ここまでやってくれた事を、そのライダー本人はどこまで聞いたのかわかりませんが、こういうメカニック達の献身的な作業に応えるためにも、ライダーはマシンを壊さない為の細心の注意と、しかし少しでも良い順位で応えられるように闘志を持って走らなければならないな、と、気持ちを引き締めます。

昨年もそうでしたが、ウランバートルに比較的近く、設備も整っているこのツーリストキャンプには、他の日本人観光客も多く訪れています。日本人が主催するラリーがモンゴルで開催されていることはあまり知られていないので、皆、びっくりするようで、興味津々でスタートを見物します。なので、いつもよりちょっとだけ賑やかなスタートです。
【Rally Mongolia 2014】マラソンステージ(ETAP-5~ETAP-6)_f0041031_22424354.jpg

そしてすぐ、ついに今年もデューンに突入です。
【Rally Mongolia 2014】マラソンステージ(ETAP-5~ETAP-6)_f0041031_22451234.jpg
・・・が、今年ははっきりとしたピストもできており、昨年のようにルートを探して右往左往する事なく、順調に通過しました(ちょっと呆気なくて物足りなかった!?(^^;;;)。

その後、韓国人選手がクラッシュした現場に出くわして救助を手伝ったり、お約束の?ミスコースを繰り返したりしながら、いつもより少しゆっくりめのペースでRCPに入ります。まあ、マラソンステージなので、このくらいで良いかー・・・!?(^^;;;
後半に走った、生命の気配を全く感じられない月や火星のような風景の中に、突如として現れる巨大な球体の人工物は、実はこれで2回目でしたが、それでもやはり見た瞬間には驚きやら畏れやらと一緒に、「ついに、ここまで来たぞーー!!」というような嬉しい気持ちが湧きあがります。やっぱり私の中のモンゴルは、草原よりもこういうゴビの奥地、土と砂のイメージなのです。。。
この日のSSではチーム員でモンゴル初挑戦のぬまぬまとデッドヒート!?(^^;;;
彼はチームで唯一のモンゴル初挑戦メンバーです。なので、最初はちょっと心配でしたが、初めてなのに私よりナビ上手いし(^^;;;、スピードもだいぶ慣れて出せるようになってきたようだし、あまり周囲に影響を受けず、落ち着いてキッチリと自分のペースを守っているのを見て、これなら大丈夫!(^^)vと安心します。こういうところに来ると、その人の人となりが良く解かるような気がします。

SSゴールしてから、83kmのリエゾンは指定タイムが60分、しかも給油の時間も含んでなので、ざっとアベレージ90km/h!?・・・絶対無理です。(><)
変な事は考えず、とにかく確実に今日のビバークに辿り着くことだけを考えて走ります・・・な~んて、実は、給油時にタンクキャップを落とされて砂を拭きとったり、そのあとキャップ内側のシールが上手く嵌ってなくてキャップを閉めるのに凄く手間取った時には、人の良さそうな給油係のおっちゃんにちょっとだけ、イラッ(--#っとしましたが。。。(^^;;;

実際に走り始めてみると、このリエゾンは平原部分のピストは枯れ川やクラックが多いし、谷に入れば小石混じりで砂ザクザクの枯れ川の中のピストでスピードが上がらず、谷を抜けると尾根筋の眺めの良いピストながら、モンゴルによくある頂上でいきなりカーブでドッキリ!が連続と、慌てると危ないけれど、かなり楽しいルートでした。
尾根筋のピストからはうっすらとピンク色をした美しいホンゴルの砂丘をたっぷりと眺める事ができ、過去2回は、あの砂丘の中の回廊を抜けて来たんだっけ?、なんて思い出に浸ったり。。。
このリエゾンのペナルティは30分でした。このルートをあの手間取った給油タイムも含めて90分で走れたんだ・・・!?というのは、私の中でちょっとした自信と安心になりました。(^^)
しかも、無転倒、ノートラブルでマラソンステージを折り返せるというのは、精神的にもとてもゆとりができます。

ゴールして食事もシャワーも済ませ、明日のGPSポイント入力を・・・と思ってたところに、チーム員のK池君が「親方、GPSデータ、入力しましたよ!」とゲルを訪ねてきました。初日にマシンのあちこちのネジが振動で吹き飛んで修理しながら走ってたので、ちょっと出遅れたけど、じわじわと挽回してきています。チーム最年少とは思えない落ち着いた様子(だから、まだ30歳と聞いてビックリする人も多い!(^^;;;)には、安心できます。GarminのGPS62Sは赤外線通信機能がついているので、同じ機種同士だとデータのやり取りが簡単にできるので、自分の入力したデータを私のGPSに通信で渡そうとしてくれているのでした。メカサポートを付けていないK池君、初日に修理で夜遅くなった時にデータをあげた事について、お返ししてくれたんでしょうか?・・・義理堅くて、本当に良い青年であり、自慢のチーム員です。(^^)

この日までに、やはり疲労は溜まっていたようで、また、2人部屋のゲルの同室が一部で熟女コンビ(?(^^;;;)として有名になりつつある仲良しのO方さんだった事もあり、午後9時過ぎから翌朝6時前くらいまで、決してフカフカとは言えないベッドで、一度も目を覚ますことなく熟睡したのでした。
【Rally Mongolia 2014】マラソンステージ(ETAP-5~ETAP-6)_f0041031_22471397.jpg
ツーリストキャンプでない時は主催者の用意したゲルに木の実山部屋やミサイルファクトリーのチームメンバー総勢8名が寿司詰でシュラフとマットで寝てたんですが、やっぱり寝る環境って大切です??

マラソンステージの2日目、ETAP-6の朝です。
【Rally Mongolia 2014】マラソンステージ(ETAP-5~ETAP-6)_f0041031_22473674.jpg

この日はパルフェルメの解除も厳密で、一人ずつ呼ばれて入場を許され、慌ただしく準備を整えてビバークをスタートします。

SSスタート地点まで78kmのリエゾンは指定タイム120分。慌てる事はありません・・・が、なんと谷の出口でチーム員のシラス君が倒れているのを発見!!
「どうした??」「足、折れた・・・」「ええーーーっ!?」
既にメディカルカーも到着していて、処置をしているところ、、、左のすねに固定用の装具が準備されていて、骨折は間違いない様子。え~~~ん!チーム全員で完走が目標だったのに~~・・・(ToT)
まさか、モンゴル3回目で一番心配いらないと思ってたシラス君がリタイヤ、、、いや、でも、昨夜から今朝の浮かれ様にはちょっと不安を感じて、今朝はスタート前にわざわざ近くまで行って「本当に、気をつけてよ!慎重にね!」と声をかけたばかりでした・・・
「だから気をつけてって言ったのに~ぃ・・・(><)」
「いいから行って!静かにさせて!!」
本人の後ろにまわり、「帰ったらシラス君の奢りで反省会だからね!!(--#」とヘッドロックをかまして再びバイクに跨り、先に進みました。
途中、どこかでミスコースしてたのか右近さんが追い付いてきました。こういう精神状態の時に良く知った顔を見ると、訳もなく安心してしまい、別に、言っても仕方ない事をついつい言ってしまいます。
「シラス君、骨折しちゃった・・・」「えっ!?・・・と、とにかく行こう!」

SSスタート地点に到着しましたが、そこでもその話題がしばしば持ち上がり「うるさい!!」と、思わずキレ気味になります、、、いかん、いかん、平常心、平常心・・・
【Rally Mongolia 2014】マラソンステージ(ETAP-5~ETAP-6)_f0041031_2248404.jpg


そしてスタートしたSS。この日もナビが難しい・・・次のコマ図に「一番右のピスト」とあるので右のピストを行くといきなり目の前が崖で、慌てて左に寄って段差を降り、また右のピストに戻ったつもりがその先の斜め右に行く分岐が無い!?
H本ジムニー号の後に着いて、コマ図とは違うけれど、直角に右に行くピストを行ってみると・・・あれーー!?こんな離れたところに”本当の一番右のピスト”があったのかーー!!という感じ。
今回は、こういう並行ピストのナビで迷子になる事が本当に多いのです。。。(><)

そんな風に、この日もやっぱり、いつもと同じようなペースで進んでCP1を過ぎ、RCPに到着。
RCPでは給油も含み、1時間の休憩が課せられます。疲労の自覚症状の有無にかかわらず、私は可能な限りプロテクター類を外して軽装になり、日陰で横になって体力の消耗を防ぐ事にしています(まあ、日が高いとマシンの日陰も小さくて、横にならないと日陰に入れないというのもありますが)。もちろん、栄養補給もこの時間でします。仰向けになってキャメルバッグからチューチューと水を飲み、魚肉ソーセージを食べ、、、ほとんどラッコ状態です!?
【Rally Mongolia 2014】マラソンステージ(ETAP-5~ETAP-6)_f0041031_2249334.jpg
そしてこの写真は、RCPでやっぱり、やっぱり、、、、やっぱり!?一緒になったM原さん撮影です。。。(^^;;;

RCPを出発し、SSも終わりに近づいた頃、不思議な感覚に襲われました。
「あれ?この変電所の前を左に・・・!?」「あれ?この川、前にも渡ったような・・・!?」
夢で見たんだっけ?、、、ついに、予知夢を見る能力が身についたのか・・・??
この日も明るいうちにビバークに到着しました。そこで、このSSの終わりの方はETAP-4でも全く同じルートを走っていたと知らされてビックリ!!
その割には、ぼんやりとしか覚えてなかった、夢の中のような感覚だった事に、ちょっと自分の記憶力が心配になります(^^;;;
結局マラソンステージの2日間、無転倒、ノートラブル(心の中で密かにガッツポーズ!です(^^;)で、必要なバイクの整備はオイルとエアクリーナーの交換、増し締めくらいですが、2日ぶりにこんな風にメンテナンススタンドに載せてもらって、なんだかバイクもホッとしているように見えてきます(^^)
【Rally Mongolia 2014】マラソンステージ(ETAP-5~ETAP-6)_f0041031_2250521.jpg


骨折したシラス君は、ちょうど私がゴールする直前までビバークにいたようですが、それからウランバートルに移動し、結局行き違いになってしまい顔は見れませんでした。
賑やかな末っ子キャラがいないと、チームゲルの中もなんとなく静かで物足りない感じですが、、、ま、その分広く使えるから、いいか??(--;;;

チーム員のahemaさんから、カナダから来たLawrenceさんのマップホルダーが壊れてしまったとの話があったので、私が持っていた予備の古いマップホルダーをお貸しする事にして、ついでなので夕飯を一緒に。Lawrenceさんとは北京~ウランバートル2005でご一緒して以来だから、9年ぶりにまた同じラリーを一緒に走っている事になります。これまでに参加したラリーの話や、マシンの変遷や、モンゴルを走りたがっているブラジルの友人の話や、、、でいろいろ盛り上がりました。いつも思う事ですが、バイク、ラリーという共通の趣味だけで、言葉も片言なのに外国の友人とこれだけ話が続くのって、凄いです。(^^)

明日はいよいよ No GPS Day!・・・はたして無事にゴールまで辿り着けるのでしょうか??

(写真は、前回のレポートで挙げた方に加え、ミサイルさん、ahemaさん、いまっぽ、、、まだ抜けてたらごめんなさい!m(__)m)

by konomi-caffe | 2014-08-25 23:08 | Rally Mongolia 2014